筋膜 アナトミートレイン

筋膜とは

筋膜とは…筋肉など、身体の組織を包み込む膜のことを指します。

イメージしやすい形としては、全身のボディースーツのようなものです。

筋膜はそれぞれ組織の滑走が良くなるような働きを担っているため、筋膜が固まってしまうと滑走性が悪くなり動きが悪くなってしまいます。

固まった筋膜をほぐし、組織の滑走性をよくすることを筋膜リリースと表現することが多く、実際にご自宅で実践されている方がいればこの筋膜リリースの形が基本形となります。

アナトミートレインとは

2009年にトーマス・マイヤースという著名人らが内容をまとめ、書籍として世界中に広まった内容となります。

アナトミートレインは、身体全体にわたる筋膜と筋筋膜の"コネクションの解剖学"を提供し、身体に存在するパターンをマップ化とし、変化を形作る能力を与えてくれます。

と定義されています。

筋肉は全身にあり細かい筋肉も含めると、数えきれないほど多くの筋肉が存在しています。

トレーニングやストレッチをする中でも筋肉のことを理解することが必要ですが、身体を動かすときには、筋肉が単体で動くことは少ないです。

そのため筋肉を単体で考えず、いくつかのまとまりとして考えようとしたのが今回ご紹介する「アナトミートレイン」です。

ある部分に負荷がかかったとき、影響を及ぼす部分のことをアナトミートレインと表現売ることもあります。

アナトミートレインの種類

アナトミートレインシステムの12の筋筋膜経絡は、今までに学んできた個々の筋肉を人間の身体の姿勢や動きに関わる筋膜生地に存在する機能的複合体に繋げます。

と定義されています。

筋膜の流れは12種類に分類されます。どのようなものがあるのか詳しくみてきましょう。

スーパーフィシャル・フロント・ライン(SFL)

【筋筋膜の路線】

  1. 趾骨の背側面
  2. 短趾伸筋、長趾伸筋、前脛骨筋、前下腿区画
  3. 脛骨粗面
  4. 膝蓋下腿
  5. 膝蓋骨
  6. 大腿直筋、大腿四頭筋
  7. 下前腸骨棘
  8. 恥骨結節
  9. 腹直筋
  10. 第5肋骨
  11. 胸骨筋、胸骨軟骨筋膜
  12. 胸骨柄
  13. 胸鎖乳突筋
  14. 乳様突起
  15. 頭皮筋膜

スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)

  1. 趾骨の底面
  2. 足底筋膜、短趾屈筋
  3. 踵骨
  4. 腓腹筋、アキレス腱
  5. 大腿骨頭
  6. ハムストリングス
  7. 坐骨結節
  8. 仙結節靭帯
  9. 仙骨
  10. 腰仙椎筋膜、脊柱起立筋
  11. 後頭骨稜
  12. 帽状腱膜
  13. 前頭骨、眼窩上隆起

ラテラル・ライン(LL)

  1. 第1中足骨底、第5中足骨底
  2. 腓骨筋、外側下腿区画
  3. 腓骨
  4. 前腓骨頭靭帯
  5. 脛骨外側顆
  6. 腸脛靭帯、外転筋
  7. 大腿筋膜張筋
  8. 大殿筋
  9. 腸骨稜、上前腸骨棘
  10. 下前腸骨棘
  11. 外腹斜筋前部
  12. 外腹斜筋後部
  13. 肋骨
  14. 外肋間筋、内肋間筋前部
  15. 外肋間筋、内肋間筋後部
  16. 第1肋骨および第2肋骨
  17. 頭板状筋、胸鎖乳突筋前部
  18. 頭板状筋、胸鎖乳突筋後部
  19. 後頭骨稜、乳様突起

スパイラル・ライン(SPL)

  1. 後頭骨稜、乳様突起、軸椎横突起
  2. 頭板状筋および頸板状筋
  3. 下部頸椎棘突起、上部胸椎棘突起(対側へ移動)
  4. 大菱形筋および小菱形筋
  5. 肩甲骨内側縁
  6. 前鋸筋
  7. 外側肋骨
  8. 外腹斜筋
  9. 腹部腱膜、白線(対側へ移動)
  10. 内腹斜筋
  11. 腸骨稜、上前腸骨棘
  12. 大腿筋膜張筋、腸脛靭帯
  13. 脛骨外顆
  14. 前脛骨筋
  15. 第1中足骨底
  16. 長腓骨筋
  17. 腓骨頭
  18. 大腿二頭筋
  19. 坐骨結節
  20. 仙結節靭帯
  21. 仙骨
  22. 仙腰筋膜、脊柱起立筋
  23. 後頭骨稜

スーパーフィシャル・フロントアーム・ライン(SFAL)

  1. 鎖骨の内側1/3
  2. 肋軟骨、胸腰筋膜
  3. 腸骨稜
  4. 大胸筋、広背筋
  5. 上腕骨内側縁
  6. 内側筋間中隔
  7. 上腕骨内側上顆
  8. 手根屈筋群
  9. 手根管
  10. 指の掌側側

スーパーフィシャル・バックアーム・ライン(SBAL)

  1. 頭頭骨稜
  2. 項靭帯
  3. 胸椎棘突起
  4. 僧帽筋
  5. 肩甲棘、肩峰、鎖骨の外側1/3
  6. 三角筋
  7. 上腕骨の三角筋粗面
  8. 外側筋間中隔
  9. 上腕骨外側上顆
  10. 手根伸筋群
  11. 指の背側面

ディープ・フロントアーム・ライン(DFAL)

  1. 第3、4、5肋骨
  2. 小胸筋、鎖骨胸筋筋膜
  3. 烏口突起
  4. 上腕二頭筋
  5. 橈骨粗面
  6. 橈骨骨膜、前線
  7. 橈骨茎状突起
  8. 外側側副靭帯、母指球筋
  9. 舟状骨、大菱形骨
  10. 母指外側

ディープ・バックアーム・ライン(DBAL)

  1. 下部頸椎および上部胸椎の横突起C1ー4横突起
  2. 菱形筋および肩甲挙筋
  3. 肩甲骨内側縁
  4. 腱板筋
  5. 上腕骨頭
  6. 上腕三頭筋
  7. 尺骨肘頭
  8. 尺骨骨膜
  9. 尺骨茎状突起
  10. 尺骨側副靭帯
  11. 三角骨、有鈎骨
  12. 小指球筋
  13. 小指外側

フロント・ファンクショナル・ライン(FFL)

  1. 上腕骨頭
  2. 大胸筋の下縁
  3. 第5肋骨軟骨および第6肋軟骨
  4. 腹直筋鞘外側
  5. 恥骨結節および恥骨結合
  6. (対側)長内転筋
  7. (対側の)大腿骨粗線

バック・ファンクショナル・ライン(BFL)

  1. 上腕骨体
  2. 広背筋
  3. 腰仙連結
  4. (対側の)仙骨筋膜
  5. (対側の)仙骨
  6. (対側の)大殿筋
  7. (対側の)大腿骨体
  8. (対側の)外側広筋
  9. (対側の)膝蓋骨
  10. (対側の)膝蓋下腱
  11. (対側の)脛骨粗面

ファンクショナル・ライン(FL)

  1. 上腕骨
  2. 広背筋外側縁
  3. 下部肋骨3本
  4. 外腹斜筋後部線維
  5. 上前腸骨棘
  6. 縫工筋、鵞足
  7. 脛骨内側上顆

ディープ・フロント・ライン(DFL)

【全身の最下部】

  1. 底側足根骨、趾の足底面
  2. 後脛骨筋、長趾屈筋
  3. 脛骨、腓骨の上後部
  4. 膝窩筋膜、膝関節包
  5. 大腿骨内側上顆

【下後部】

  1. 大腿骨内側上顆
  2. 後筋間中隔、大内転筋、小内転筋
  3. 坐骨稜
  4. 骨盤隔膜筋膜、肛門挙筋、内閉鎖筋筋膜
  5. 尾骨
  6. 前仙骨筋膜および前縦靭帯
  7. 胸腰椎椎体

【下前部】

  1. 大腿骨内側上顆
  2. 大腿骨粗線
  3. 前筋間中隔、短内転筋、長内転筋
  4. 大腿骨小転子
  5. 腰方形筋、大腰筋、腸骨筋、恥骨筋、大腿三角
  6. 胸腰椎椎体

【上後部】

  1. 胸腰椎椎体
  2. 前縦靭帯、頸長筋、頭長筋
  3. 後頭骨基底部

【上中部】

  1. 胸腰椎椎体
  2. 横隔膜後部、横隔膜脚、腱中心
  3. 心膜。縦膜、盤側胸膜
  4. 椎前筋膜、咽頭腱膜、斜角筋、内側斜角筋筋膜
  5. 後頭骨基底部、頚椎横突起

【上前部】

  1. 胸腰椎椎体
  2. 横隔膜後部、横隔膜脚、腱中心
  3. 横隔膜前部
  4. 肋骨下後面、軟骨組織、剣状突起
  5. 胸内筋膜、胸横筋
  6. 胸骨柄の後側
  7. 舌骨下筋、気管筋筋膜
  8. 舌骨
  9. 舌骨上筋
  10. 下顎骨

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は少し細かい内容となり難しい部分もあったかもしれませんが、知識として知っているか知らないかでご自宅でも運動を効果的に実践できる可能性も高まります。

今回の内容を踏まえて例えば…

前屈をするときに

  • 足関節背屈位(つま先が起きている状態)
  • 足関節底屈位(つま先が寝ている状態)

で2種類を試してみてください。

前者の足関節背屈位で行った時の方が足の裏側が伸びている感覚が入りやすかったなどの感覚はありませんでしたか?

これが、筋膜の流れに沿ったストレッチをするという方法の一例です。

同じストレッチを行っていても、ワンポイントプラスするだけで効果を変化させることにも繋がります。

せっかく運動をするなら効果的に!