小円筋

筋肉シリーズ
  小円筋について

小円筋(しょうえんきん)は、上肢帯の筋肉です。
棘下筋に一部覆われている肩甲骨の後面外側縁上部の1/2から起始し、上腕骨大結節の下部に停止します。
三角筋と僧帽筋の内側に隠されているインナーマッスルです。
作用は、肩関節の外旋・内転。
上腕を外に捻じり体より後ろに向ける動きのときに使われます。
神経は、腋窩神経C5・C6。
小円筋を使うと、脇の下が締まります。
肩の下方、腕の支持が安定する役割があります。
腕を振る動作ランニングやウォーキングとかでも多用される場所です。

頭を使って、体が緊張すると、小円筋がこる傾向になります!
肩甲骨の内側には目に関係がある神経が通っていて、目が疲れると肩甲骨の動きも悪くなります。
腕に栄養を送っている血管も、肩甲骨の内側を通っているので、肩甲骨が硬く張り付くと、神経も血管も圧迫されてしまいます。
腕が血行不良になり、背中は充血しやすくなるのです。

少し細かくみると、
肩のまわりには、「回旋腱板」(かいせんけんばん)と呼ばれる筋肉があります。
筋肉といっても一本の筋肉ではなく、4つの筋肉が集合したものです。
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋という筋肉が集合して肩甲骨と上腕骨をつなぎ、肩の関節を安定させる働きを担っています。
棘上筋、棘下筋、肩甲下筋と共に回旋筋腱板(ローテーターカフ)を形成しています。

肩こりというと、肩の上や後ろに痛みやダルさを感じている方が多いと思います。
実は、肩がこっているとき、この脇の下もコリを抱えているのです!!

脇がこると肩の関節がスムーズに動かなくなり、さらなる肩こりを招くようになるといわれます。
脇のコリに関しては結構見逃しています。
肩こりには、小円筋があるこの脇のこりをほぐすことが大事です。

小円筋を含めたローテーターカフの4つの筋肉、それぞれはとても弱めです。
だから常に協力しあっています。
お互いに足りないものを助け合う意味では、共同作業するのは望ましいことです。
ただ、くたびれてきたときに、少し困った問題が生じてしまいます。
何が問題かというと、「自分だけ休むことができない」のです!
どんなにくたびれても、他の筋肉が働いていれば、無理をしてでも働くことになります。
だから、「肩がこった」と感じる頃には、つながって働いている脇の筋肉も、同じように疲労を溜め込んでしまっているというわけです。

肩こりは脇こりという症状を引き起こし、脇こりも肩こりを引き起こします。
慢性的な肩こりを抱えている場合は、脇こりが原因かもしれませんね。

では、どのようなときに脇がこるのでしょうか?
脇がこる主な原因には、「肩甲骨の使い方」が深く関わっています。
肩甲骨の「使いすぎ」や、逆に「使わなさすぎること」が脇こりの原因です。

たとえば、長時間デスクワークをしていると、ほぼ肩甲骨を動かしません。
すると、肩甲骨周りにある回旋腱板は当然、硬く緊張してしまいます。
これが、肩こりや脇こりを引き起こす原因になってしまうんですね。

ですから、肩こりや脇こりを防ぐには、「肩甲骨を適切に使うこと」が大切。
長時間の同一姿勢や、過度な負担がかかる運動や動作は、なるべく避けましょう。


↓ 脇の筋膜リリース体操で肩こりを治す

脇こり予防ストレッチ

1. 座って背筋を伸ばし胸を張ります。

2. 頭の後ろで手を組んで両肘を外側に張ります。

3. 外側に張った肘を出来るだけ後方へ引っ張り、肩甲骨の間をしっかりと縮めます。
背筋は伸ばしたまま、顔が下を向いてしまわないように注意しましょう。首には出来るだけ力を入れないようにしてください。

4. その姿勢を維持したまま、ゆっくりと身体を右へ倒します。身体はねじれないように、正面を向いたままにしてください。

5. これ以上倒れないところで5秒間保持。ゆっくりと反対側へ倒し5秒間保持。

以上を左右5回ずつ繰り返しましょう。
姿勢の維持を意識することは重要ですが、それを気にするあまり力んでしまわないように注意してください。
できるだけリラックスして行いましょう。

脇の下をほぐす方法

1.腕回し

両腕を前後に
ぐるんぐるん回す。

力を入れずに、遠心力に回せて
ぐるんぐるん。

できれば、
右腕は前回し左腕は後ろ回し、
右腕は後ろ回し左腕は前回し、

と左右反対方向に回すのも
やると、いい感じに体幹にひねりが入るようです

2.壁ストレッチ

両肢を肩幅くらいに開いて、
壁に向かって立ちます。

片腕を目いっぱい伸ばして手のひらを壁につけ
体重で脇の下が伸びるように立ち位置を
調整します。

反対側も同様に行います。