「関節について」
人間の骨格を構成する関節の一覧を確認していきましょう。
【大分類】
*単関節
2つの骨からなる関節。
肩関節・股関節・指節間関節など
*複関節
3つ以上の骨からなる関節。
肘関節・膝関節・橈骨手根関節など
【機能的分類】
*1軸性
骨が特定の1軸のみを中心として
動く関節。
指節間関節・上橈尺関節・腕尺関節・
距腿関節など
*2軸性
前後と側方への屈伸のように互いに
直交する2軸を中心として動く関節。
環椎後頭関節・橈骨手根関節・
第1中手指節関節など
*多関節
3軸以上を中心として動く関節。
肩関節・股関節
【可動関節】
*蝶番関節
関節は蝶番のように、
関節頭は軸のまわりだけ回る。
腕尺関節・指節間関節・肘関節
*螺旋関節
蝶番関節の変形で螺旋階段を昇るような
回転に伴い垂直な平面からずれていく。
足関節(距腿関節)・
手関節(手根間関節)・足根間関節・
腕尺関節・膝関節
*車軸関節
一方の関節面が他方の関節面に対して
車軸のように回転する。
肘関節(上橈尺関節・下橈尺関節)・
正中環軸関節
*顆状関節
関節頭は楕円形で関節窩が浅く、
しかも運動は靭帯により
一方向か二方向に制限される。
環椎後頭関節・膝関節・
中手指節関節・顎関節・足関節・
距骨下関節
*楕円関節
関節頭は楕円の球状で、
関節頭の長軸と短軸のまわりに動く。
橈骨手根関節・手根中央関節・
環椎後頭関節・顎関節
*鞍関節
関節面は鞍状で、
互いに直角方向に回転する。
胸鎖関節・母指手根中手関節・
足根中足関節
*球関節
関節頭が球状で、
関節窩が浅く運動は多方向性。
肩関節・腕橈関節・
肩甲上腕関節・中手指節関節
*臼状関節
関節窩が深く、
関節頭がほとんど入り込んでいるもので
運動範囲はやや制限される。
股関節
*平面関節
関節面が平面をなすもの。
椎間関節・肩鎖関節・
手根間関節・足根間関節・
豆状骨関節
*半関節
平面関節の一種であるが、
関節はほとんど動かない。
仙腸関節・脛腓関節・
肩鎖関節・椎体間関節
*円柱関節
近位橈尺関節・環軸関節
このような関節の分類や可動は覚えておいたほうがいいです
ちなみに膝関節を構成する組織は
【骨】
・大腿骨
・脛骨
・膝蓋骨
【靭帯】
・前半月大腿靱帯
・後半月大腿靱帯
・膝横靱帯
・前十字靱帯
・後十字靱帯
・膝蓋下滑膜ヒダ
・外側半月
・内側半月
・外側側副靱帯
・内側側副靱帯
・斜膝窩靱帯
・弓状膝窩靱帯
・膝蓋靱帯
・内側膝蓋支帯
・外側膝蓋支帯
【筋肉】
・大腿直筋
・外側広筋
・中間広筋
・内側広筋
・腓腹筋
・膝窩筋
・足底筋
続いて膝関節の動きについてです。
大腿骨と脛骨の長軸は外側で
170°~175°となっています。
大腿骨の内・外側顆の関節面は
大きさが異なり、
形態的には外側顆のほうが大きいですが
関節面は内側顆のほうが広いです。
また大腿骨の関節面は前後方向の距離にして
脛骨の関節面の2倍以上の長さがあります。
そのため膝関節の動きとしては、
屈伸運動と回旋運動を行なう
螺旋関節となっているのです。
屈伸運動は大腿骨の脛骨上の転がり運動と
滑り運動による複合運動です。
完全伸展位から屈曲初期には
転がり運動のみですが
徐々に滑り運動も加わり、
最終的には滑り運動のみとなります。
つまりは屈曲と伸展、
内旋と外旋ということです。