「呼吸」の「吸う」
我々は無意識で呼吸をしています。
動いている時も寝ている時も、絶えず吸って吐いてをしてくれています。
また、呼吸は意識的にもすることも可能です。
今、普段通りに呼吸して1回の呼吸(吸い始めてから吐き切るまで)で何秒かかるでしょうか?
60秒×60×24÷掛かった秒数=1日の呼吸数になります。
例えば1呼吸で8秒だったら86400÷8秒=10800回
6秒だったら86400÷6秒=14400回 となります。
そう考えると1日に多たくさん呼吸をしています。
1回の呼吸の質を高めると、それが非常に大きな差になりますね。
ちょっとしたコツで変わります。
いつでも何処でもできるのが呼吸法の良いところです。
『長い息』で『長生き』と言われるように、数多くの健康法の基本ですので、ヨガや武術、スポーツでも重要視しています。
身体面から精神面に至るまで様々な影響を与えると言われ昔から大切にしていることなのです。
一般的に呼吸の働きは酸素を吸い込み二酸化炭素を吐き出します。
ガス交換としての「外呼吸」と、肺に取り込んだ酸素を身体の隅々に行き渡らせる「内呼吸」と言われるものがあります。
現代日本人は呼吸でも「吸う」が苦手かもしれません。
空気は、吸い込もうっていくら頑張っても、その想いや努力とはあまり関係なく、
肋骨が動いて肺の周りのスペースが広がれば勝手に流れ込んできます。
でも、肋骨が動かなければそれが起きません。
「息を吸う=肋骨(胸郭)を動かす」ということなんです。
横隔膜も、肋骨を動かす筋肉です。
たっぷり深く息を吸う=肋骨をたくさん動かす。
自由に息を吸う=肋骨を思い通りに動かす。
お腹が膨らむのも、重心が下がるのも、一瞬で素早く吸うのも
肋骨を動かす筋肉の働きか、その影響で起きるのです。
肋骨を動かしてみましょう。
まずは、
〜肋骨の動きを実感しましょう〜
①片手の手のひらを胸骨の上にぺったり置きます。
②反対の手の甲を、その裏側の背中に当てます。
③これで肋骨(胸郭)を前後で挟んだことになります。
④鼻からゆっくり息を吸います。
⑤両手で挟んだ肋骨(胸郭)が動いているのが、ほぼ100%感じられるでしょう。
⑥あと2〜3回、ゆっくり呼吸してください。
⑦脇のすぐ下か、胸の横のあたりに手のひらを置きます。
⑧反対側も。
⑨これで肋骨(胸郭)を左右で挟んだことになります。
⑩鼻からゆっくり息を吸います。
⑪両手で挟んだ肋骨(胸郭)が動いているのが、ほぼ100%感じられるでしょう。
⑫あと2〜3回、ゆっくり呼吸してください。
これで、肋骨が動いているということも、自分が動かせているということも、感じられたと思います。
では、
【トレーニングしましょう】
さっきと同じように手で肋骨を挟みつつ、
息を吸うアクションをもっと増やしていけばいいのです。
増やし方は2種類。
〜吸う長さを伸ばしていこう〜
・最初はゆっくり3秒ほど、ラクに鼻から吸います。そして吐きます。
・同じペースで、4秒にします。そして吐きます。
・同じペースで5秒、6秒と吸う長さを伸ばしていきます。
↑こうすると、息を吸う量は増えていることになります。そして、肋骨はもっと動かしていたり、動かす負荷を高めていることになります。
〜吸う速度を速めていこう〜
・ひとつまえのエクササイズで、あなたにいまできるマックスの「量」、肋骨を動かしましたね。
・そこまで5秒で到達しようとしてください。
・つぎは4秒で、
・そして3秒で…
↑というふうに「マックス」までの「所要時間」を短くしていこうとすると、息を吸うスピードを上げていっていることになります。
他のやり方もたくさんあります!
簡単にやるコツは吸った空気を全身に行き渡らせるようイメージしながら呼吸をする事です。
これをイメージするだけでも自然に呼吸が深くなるのですが、もっと意識的に呼吸を深くしてみましょう。
1 まず鼻から息を吸えるだけ吸ってみましょう。
2 吸い切ったら今度はそのままストローで吸う様に口から更に息を吸ってみましょう。
・・・どうですか?
1で吸い切った時よりも更に空気が入ったのではないでしょうか?
そして2をやり終えた時姿勢が良くなっているのではないでしょうか?
そう、いっぱい息を吸うと自然と姿勢が良くなるのです
これは呼吸する筋肉=姿勢を正す筋肉と言うことなのです。
そのことを意識しつつもう一度胸いっぱい・お腹いっぱいになるまで口から吸いましょう。
身体が起きて、内側からストレッチされる感覚があれば正解。
呼吸のペースは5秒で吸って、5秒で吐くくらいが目安です。
ただ吐く方を一生懸命やると身体が丸まりやすくなりますので
しっかりと吸う事を意識してください
これを毎日決まったタイミングでやるでも良いし
姿勢が丸まってるなと思ったときにやるのも効果的です。
これをやることによって呼吸筋が鍛えられ、良い姿勢をキープしやすくなります。
胸の位置が高くなり顎も軽く引けます。
呼吸のパワー恐るべし。
そして普段の呼吸は鼻呼吸をしていると思いますが、
その場合は息を吸う方向を後ろ(耳の方)ではなく、上(眉間の方)へ
空気を通していくイメージにすると呼吸が深くなります。
他の方法です。
『吐ききって、脱力すること』です。
全部吐ききってから、だらんと力を抜きます。
腹筋の力を解放して、わかりやすく猫背気味になってみてください。
吸った意識はなくても、肺に空気が入っているのがわかると思います。
肺にたくさんの空気を一気に溜め込むには、肺の空気をゼロすることが大事です。
肺に空気がなくなると、いわゆる真空状態に近くなります。
空っぽの状態であれば、意識しなくても、圧力によって空気が入ってきます。
それを助けるものとして脱力があるわけです。
練習してみましょう。
まず、腹筋を使ってロングブレスします。
「フーーーーッ」とゆっくり吐きます。
お腹を引っ込めながら吐いてください。5秒。
5秒吐いたら、お腹の力を抜きます。
引っ込めた腹が出てきます。
吸おうと思ってないけどスッと息が入った感覚を確認してください。
吐くときはお腹を凹ましていく。
そして吸うときはお腹の力を緩める。
息を吸うという質が上がれば、姿勢の質もあがります。
意識的にも動かせる呼吸!それを無意識レベルにおとしこむことができれば最強です。
コツコツと積み重ねていきましょう!