スウェイバック

姿勢のよくある特徴の用語として、スウェイバックという言葉を使います。
スウェイバックとは…

股関節が前方に突き出している
臀部が後方に落ちている
胸郭が潰れたように落ち込んでいる
重心が全体的に後方に移動
重心の位置により、上腕が後方にぶらさがる
上半身のバランスを膝を曲げ立位保持
重心の後方移動を頭部を前方に突き出すことでカバー

スウェイバックの過緊張筋・低緊張筋
(過緊張)
頸部伸筋群・僧帽筋上部繊維・肩甲挙筋・小胸筋・脊柱起立筋・梨状筋
腸腰筋・大腿筋膜張筋・ハムストリングス・股関節内転筋群・下腿三頭筋
(低緊張)
頸部屈筋群・広背筋・僧帽筋中・下部繊維・菱形筋・腹筋群・大殿筋
大腿四頭筋・中殿筋・下腿背屈筋群

スウェイバックの改善・治療
姿勢は
腰が曲がっているから腰を伸ばす
猫背だから背中を伸ばす
では改善することはまずありません
カラダの構造というのは、キャンプのテントのように骨(柱)をつっかえ棒にしてロープ(筋肉)で引っ張って安定をさせています。
柱を安定させるためには、それぞれのロープが均等に引っ張り合う必要があります。
上記で示したような過緊張、低緊張の筋群があると、この引っ張り合いのバランスが崩れ、その結果、柱が傾き、姿勢が崩れる事になります。
基本的には、緊張している(縮んでいる)筋肉は伸ばす。
低緊張(縮みにくい)筋肉を緊張出来るように働かせるように行っています。
縮んでいる筋には、筋膜リリース、押圧法、ほぐしなどの手技でアプローチをし、低緊張の筋はPNF(固有受容性神経筋促通法)やストレッチ、筋トレなどを行い補強をします。
正しい姿勢の感覚獲得の為に、キネシオテープで姿勢筋の筋補強をする事もあります。
姿勢の崩れは、筋力の低下と共に、日常生活動作や運動動作での間違ったカラダの使い方が根本にあります。
座り方、立ち方などから、実際に家事(料理、掃除、洗濯など)の動きの評価や仕事場でのカラダの使い方、寝具や靴などの身の回りの環境などを評価して、変えられる所は変える様にしています。
このように、姿勢改善はカラダだけでなく、本人の生活習慣や思考パターンまで変える必要があり、本人の協力が必要不可欠です

⑴後弯・平坦型姿勢(スウェイバック)とは?
<アライメント>
‣骨盤が後ろに傾いた(後傾)状態で、前方に移動している。
★壁に背を向けて立つと、骨盤が前に移動しているため、背中が先につき、お尻がつかない。

‣骨盤が前方、上半身が後方、頭が前方に位置する。体のパーツを前後に振り分けるように位置する。
‣背骨のS字弯曲は崩れている。
腰は前弯を失い平坦に。その上部の胸椎~頸椎※1はゆるやかなカーブ(後弯)を描く。
※1背骨の中で胸~首にあたる部分

<特徴>
姿勢を保つのにあまり筋肉を使っておらず、靭帯など筋肉以外の要素に頼って立っています。
頭が前に出ているので、後頭部~肩甲骨にかけての筋肉が緊張し、首や肩がコリやすい。
骨盤が前にでて、さらに筋肉をあまり使わず立つのでポッコリお腹やお尻の垂れ下がりが起こりやすい。


⑵平背型(フラットバック)
<アライメント>
‣骨盤が後傾している。
‣胸椎下部~腰にかけて平坦(フラット)で、その上部は緩やかなカーブを描く。
‣頭が前方に位置する。

<特徴>
背骨に正常なS彎曲がなく、真っすぐなので一見姿勢が良いと勘違いされやすい。
背骨(腰)に弯曲がないことで衝撃吸収がうまく行えず、ヘルニアなどの腰や首のトラブル
につながりやすい。



⑶後弯前弯型(反り腰)
<アライメント>
‣骨盤が前傾し、お尻が後方に突き出ている。
★壁に背を向けて立つと、背中より先にお尻がつく。

‣腰椎の過剰な前弯(反り腰)、胸椎の過剰な後弯がみられる。
※胸椎の過剰な後弯がみられない場合も多い。(シンプルな前弯型もある)
‣頭が前方に位置する。

<特徴>
腹筋群の弱い女性に多く、だいたいの方が腰に張りや痛みを感じる。腰痛持ちが多い。
肥満体型の方、妊娠をきっかけにこの姿勢になる方も多い。
(胎児の重みを支えきれず、バランスをとるため。出産後も治らずこの姿勢のままの方も多い)
頭が前に出ることで、首や肩が凝る。

※注意:何度も繰り返しになりますが、これらの姿勢はよくあるパターンではあるのですが、全ての方がこのどれかに当てはまるわけではなく、姿勢タイプが混ざっていることもよくあります。